入室希望の方
Entry guidance

齊藤研究室に入室希望の方へ

齊藤研究室は物理学と工学応用の両者にまたがる
ナノ量子物性の最先端の開拓を標榜し、次世代電子技術の基本物理原理を築く先端研究と世界で活躍する人材の輩出で科学技術と社会に貢献していきます。

Quantum changes the world.

研究室の方針

科学研究は人によって成り立っています。私達は最先端の科学を生み出す場をメンバー一人一人と共に創り上げ、個々との信頼関係を基にした研究教育により科学・工学のフロンティアを押し広げる研究成果を生み出す事を目標としています。教員、学生共にこの視点に立っており一人一人の研究に対する肯定的な取り組みとメンバー同士の切磋琢磨が組織のパフォーマンスの飛躍的向上につながると考えています。

研究室の方針としては、物理学の美しさと工学的応用の両者を重視しており、基礎学理の構築のみならずその特許化も行っています。
研究を遂行する上で物理学の原理に基づいた基礎的な理解は欠かせません。齊藤研究室では物理現象に共通して存在する視点を研究室の遺伝子として伝えてゆき将来どのような分野でも永続的な自己成長を遂げ得る知性を築く事を目指しています。対象の本質を見抜くにも研究テーマを設定するにも実験系をデザインするにもその世界観が強力な武器となるでしょう。

現時点での知識は問いません。特に研究のプロフェッショナルを目指す方々も歓迎いたします。人類の未知に挑戦する情熱を持って集まって来て下さい。

先端研究を目指す人を
募集します。

卒業研究生・大学院生の募集

当研究室の卒業研究及び大学院課程へは、東京大学工学部物理工学科(工学系物理工学専攻)から入室・入学できます。他学部や他大学、他専攻以外からの受験も歓迎です。 興味をお持ちの方は、必ず出願前に教員までご連絡ください。研究内容のご説明や雑談をご希望の方も歓迎致します。

研究員として入室ご希望の方

日本学術振興会特別研究員の受け入れも可能です。各種研究員ポストが空いている場合もありますので、最先端研究で一旗あげたい方、直接教員までお問い合わせください。

量子ナノ物性へのご招待

新しい物理学・
電子技術「量子ナノ物性」へのご招待

当研究室では、スピントロニクスを中心に、物性物理学の広範囲にわたる研究を行っております。レーザーから極低温測定まであらゆる実験手段・理論を駆使し、教科書を書き換えるような最先端の研究を展開しています。この分野において当グループは、世界トップの研究室の一つとして知られています。
我々の研究目標は、量子力学的現象・相対論的現象を自在に操り従来の電子技術を超えた新しいテクノロジーの物理原理を創り、応用することにあります。物理学とテクノロジーの両者にまたがる研究を行っており、物理としての美しさと実用化の両者を重視しています。物質中の電子スピンはこの目的に最も適した手段を提供します。最新のナノテクノロジーを用いることでスピンの物理状態を自在に設計制御することが可能です。かつては量子現象の代表格と言えば超伝導などの極低温度の特殊な現象でしたが、これを凌ぐ勢いでスピンの量子現象が室温で次々と発見されています。新しい物理の時代の幕が上がろうとしているのです。我々は、この新しい時代を自らの手で切り拓くため研究に日々楽しく取り組んでおり、やる気のある皆さんが我々の仲間に加わることを楽しみにしています。人類がスピンを利用した新しいテクノロジーの物理原理を手にする日は目前です。
現在は、スピン流関連のテーマが多くなっています。スピン流は現在では世界中で最重要テーマの一つとして研究されていますが、その発見はごく最近であり、基本現象の発見の多くが我々の手によるものでした。このスピン流の物理原理の探求を集中的に行い最前線を開拓してゆきます。
本年度の研究テーマについては、研究内容のページをご参照下さい。いずれも最先端物理及び物理工学の研究テーマです。実験が中心ですが、理論的な検討も重視しています。学理の構築と特許化の両者を行っています。

基本的な指導方針

卒業研究・大学院教育の体制について

最初の数ヶ月間、教員か上級生の誰かとペアを組み基礎技術や思考力を習得してもらい、次項に挙げた教育システムを通じて最先端の物理知識を習得してもらいます。その後教授と相談して研究テーマを設定し、各自がほぼ独立したプロジェクトを進めます。全教員は、みなさんが充実した研究や学習ができるように 最大限の努力をします。教員数も充実しており、先端の研究を行っている教員から密な指導を直接受けることができます。教員・上級生の指導も親切で、研究室の雰囲気は大変明るいと思います。 研究テーマは、最先端の科学的に重要なテーマばかりを選択しています。捨てテーマや単なる修業的なテーマはありません。また、人数に比べて研究資源に余裕があるので、研究生活の自由度はかなり高く、更に研究が立ち上がってゆく過程をリアルタイムで見ることができます(普段見えない装置の中身も勉強できます)。このような贅沢な体制がとれるのは研究室が拡大してゆく期間のみですので、本年度の卒論生は大変ラッキーだと言えます。実際現在の4年生は、大変高いレベルに成長しており、独力で高い水準の研究を進められるまでになっています。

研究室のシステムについて

以下のミーティングに毎週参加してもらい、その他の時間で自由に研究を進めてもらいます。テーマは基本的には教員と相談の上で決めますが、やってみたいテーマがあれば可能な限り実現できるようにします。研究室内では、常時大型の研究プロジェクトが走っており、様々なタイプのプロの研究者と接する機会が毎日あります。これによって、様々な分野の知見や研究能力を身に着けることができます。 コアタイムはなく時間の拘束はあまりありませんが、毎週のミーティングでの研究進展状況の議論が必修ですので、自分でスケジュール管理をして週単位で研究を進めることが求められます。 また、研究室内では日常的に英語に接する機会が多いので、物理だけでなく英語の力も自然と身に付きます。

(1) 研究室セミナー(毎週1回)
各人が持ち回りで最近の論文の解説をしたり、外部(海外を含む)の研究者を招待して講演をして頂いたり、研究中のテーマの討論を行うセミナーを開催します。徹底した議論を推奨しています。研究の最先端の話題を学び、議論を通じて科学的な考え方を養うことを目的としています。プレゼンテーション技術の養成の場にもなっています。
(2)テクニカルミーティング(毎週1回)
各自の最新研究データを見せ合い、今後の研究方針や問題点解決方法を皆で議論します。このミーティングに積極的に参加することで問題解決能力が養われ、研究の視野や知識を格段に広げることができます。
(3) 基礎教育コース(春学期のみ週1回)
大学院生(+教員)の指導のもと、やや高度な物性物理学と研究の基礎を学びます。

研究設備について

齊藤研究室は比較的新しい研究室で、2006年4月に発足しました。最新のテクノロジーを結集させた多様な先端実験設備、分析設備、試料作製設備を整備し、世界的にも最高レベルの充実した高度な研究環境を備えています。放射光共同施設、中性子共同用施設をはじめ、国内・海外の大学や研究所、企業との共同研究も進めており、特にナノテク先端技術を開発している企業や、理論家との交流が非常に盛んです。海外ではケンブリッジ大学、カイザースラウテルン工科大学、ミュンヘン工科大学、サラゴサ大学、マインツ大学、ユニバーシティカレッジ・ロンドン、フーダン大学、オハイオ州立大学、デルフト工科大学、UCロサンゼルス、UCバークレー、シンガポール国立大学等との共同研究が進行中です。これらの大学間での学生短期交換も盛んです。

どのようなタイプの人が向いているか

何よりも「物理」に興味があり、未来のテクノロジーの基礎をなす新しい物理を確立することへの熱意とやる気をもっていれば、齊藤研は最も適した研究室のひとつだと思います。修士まで頑張ってもらえれば、教科書レベルを遥かに超えた最先端の知識と生涯役立つ問題解決能力、そして世界に通用する研究成果を得ることができるでしょう。逆に、物理への興味があまり無い方にはお薦めできません。