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磁性体の体積はスピン流で変化する

当研究室の有沢博士課程学生らが、スピン流を用いて強磁性体の体積を変調できることを実証しました。

電子の自転運動であるスピンの流れをスピン流と呼びます。スピン流は電荷の流れである電流と対比され、電流では不可能だった省電力情報処理を実現する可能性があることから、スピントロニクス分野(注2)において次世代の電子素子制御技術として期待されています。本研究では、スピン流により強磁性体中のスピンゆらぎを制御し、強磁性体の体積が変化することを見出しました。これは近年微小化が進む精密機器において課題となる、熱による部品変形をスピン流で制御できることを示唆しており、新たな材料開発を推進する可能性があります。

本研究成果は、2022年5月11日(英国夏時間)に英国科学雑誌「Nature Communications」のオンライン版に掲載されました。


磁気体積効果とスピン流体積効果の模式図


関連情報
東京大学工学系研究科プレスリリース
発表論文"Observation of spin-current striction in a magnet"